田んぼについて
定点観測:7/7 同じ苗(棒の横)、二株になっている→分けつ(ぶんけつ)と言います。
ここのところ朝晩田んぼに入って除草しています。
田植え前の代掻きが甘かったようで、、、それにしてもすごい草の量です。
うちの田んぼは、しばらく田植えがされていなかった土地のため、ひたすら雑草の草刈り→枯れた雑草が分解して栄養分に→また雑草が生える→草刈り・・・を繰り返した結果、割と肥えた状態になっていたようです。
今生えているのはコナギ、ホタルイ、イボクサ。(こちらのページで詳しく書かれてました)
ヒエはまだ生えていないみたい。竹ボウキと田車除草も入ったのですが、雑草の勢いには勝てなかったようで、徹底的なテデトール(手でとる)除草が必要なようです。
除草速度を計算してみると、
我が家の田んぼは一列(条)片道30分、往復1時間かかります。約80条あるので半分の40時間、1日2時間(朝晩)やって約20日。8月になると根痛みが心配なので田んぼには入らない方がいいということなのでギリギリ間に合うか?!というところ。
初めてとはいえ、自分の不甲斐なさ、適当加減にがっかり落ち込みつつ毎日田んぼに入っています。
すると、入るほどに田んぼが愛おしくなってくるから不思議です。
水が冷たいところ、ぬるいところ、深いところ、浅いところ、それぞれの場所で稲の感じが違って、その声が聞こえてくるようです。半ズボンに田んぼ用長靴で入っていると、たまに稲が足をくすぐってきて「愛い奴〜」と思ったり。
田んぼにはそんな魅力があります。
もし田んぼに入ったことがない人がいたら(特に素足で!)、それは人生で経験すべきことの一つを欠いていると言ってもいいくらい、もったいない気がします。
生ぬるく、柔らかい土を踏みしめる感覚は、経験してみないとわからない気持ちよさ、田んぼセラピーと言ってもいいかも。興味ある人は是非一度きて入ってみてください!人生観が変わります、これは本当です。
ひたすら草取りをしていると思考はフル回転で、、、米のことを超えて、農業のこと、家族のこと、社会のこと、人生のこと、いろいろ考えて、ネガティブマインドに落ち込んでしまうこともあります、でも、ふと目を上げると、目の前で稲が笑っている。ソヨソヨと風に吹かれて、ただそこに立っているだけの稲は本当に愛おしい存在です。ちょっと元気のない稲には「頑張れよ!」と声をかけてしまいます。
もっとも、たったの5畝だからできること。僕がやってるテデトール除草は趣味かもしれない。これが一反だったら不可能でしょう。
慣行栽培の田んぼは本当に綺麗です、もちろん除草剤の効果。需要と供給を天秤にかけた時、最低限の農薬利用は折衷案として「あり」だと思います。だから、慣行栽培を否定する気は全くなく、自分もこれまでそうしたお米のお陰で元気に育ってきた訳ですし。
慣行栽培に比べたら、自分のやっている米作りは趣味の域を出ないかもしれません。だってせいぜい一反当たり収量200kg、これは慣行栽培の5分の1程度。でも。我が家の田んぼにはカエルやイチョウウキゴケ(レッドリストに載ってる絶滅危惧種)が沢山いるのは嬉しいです。そして、そんな豊かな生態系で育ったお米を娘に食べさせてあげられるのは至上の喜びだと感じています。