無農薬の米作り

田植えから一週間、一回めの除草に入りました。IMG_2888
これは研修先の田んぼですが、真ん中に写っている人が引っ張っているのが竹箒をばらして作った「竹箒除草機」です。いつの時代だよって感じがするけど効果抜群です。

僕はこれまで米作りをやったことがなく、大学(農学部)でも一度田んぼに入ったことがあるだけでした。秋田出身、農学部卒なのに田んぼ入ったことないとは。。。我ながら体験の空洞化に驚きます。

そんなお米素人の僕が今取り組んでいるのが有機栽培の米作りです。ついでに言うと肥料もやっていないので自然栽培とも言いますが、そこらへんの線引きは置いといてとりあえず無農薬のお米栽培になります。

通常のお米栽培(慣行栽培)との違いから、無農薬栽培がどんなものかわかってきました。
<苗作り>
お米の苗を作る専用のトレーに土を詰めて籾(もみ)を播種します。サイズは60x30cm。慣行栽培では大体140g位、無農薬栽培では50g位しか蒔きません。田んぼに植える苗の本数を少なくして風通しを良くし病気を防ぐこと、密植による徒長(光が不足してもやし状にひょろっと伸びる)を防ぐことが狙いです。

<田植え方法>
田植え機で植えるのは同じですが機械がつまみとる苗の量が無農薬栽培では少ないです。機械のかき取り本数の設定も少なくしていますが、上記苗作りでも少ないため植わる本数はかなり少ないです。写真でも苗の植わっている線がとても細いのがわかりますか?この田んぼは株間、条間30cmの1〜2本植えです。慣行栽培では大体15x25cm程度で5本位植えます。そのため田植え機で植えても結構な数の補植が必要になりますが。。。手植えすれば問題ないんだけどね〜、時間と労力さえあれば。疎植(そしょく)は株間を広くして植える本数を少なくすることで一本一本を太くします。

<除草>
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(大きいのが稲の苗、小さくて細いのはたぶんこなぎの芽、やばい!)
田植えをしてお米の苗が活着(かっちゃく:根がしっかり地面につくこと)したころ慣行栽培では除草剤をまきます。お米だけでなく、すべての農業は雑草との戦いだと思います。どっち(農薬ありor無農薬)の方法でお米の収穫まで行くか、そのアプローチの違いの原点がここにあるんじゃないでしょうか?
 なぜ除草剤でお米が枯れないのか?というと農薬の「選択制」があります。イネ科(もちろんお米)は枯れない除草剤をまけばイネ科以外の草は枯れます。だからヒエとかイネ科の雑草が生えてしまうと除草剤でも対応できなくて厄介なのですが、、、ヒエに効く除草剤もあるんですねというか成長のステージの差を利用した方法で枯らせるようです。なるほど上手くできている!
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 無農薬栽培ではもちろん除草剤は使わないので、何度も除草で田んぼに入ります。写真のような竹箒除草は一番原始的(笑)な方法です。竹箒が地面をひっかくことで出たばかりの雑草の根を浮かしてしまいます、他にも同じ原理のチェーン除草(鉄のチェーンのついた棒を引っ張って歩く)や畝間をカゴ車輪が回って除草する田車除草(エンジン付きもある)などがありますが、ちょっとでも遅れると根がしっかり張ってしまい除草できないのでタイミングが大事です(田植え後毎週)。

<水管理>
 慣行栽培では田植えから一ヶ月くらいしたら「中干し」をします。これはちょうどお米が葉っぱを作る成長から穂を作る生殖成長に切り替わるタイミングになります。中干しは過剰な分けつによる無効分けつの抑制(お米の入らない穂ができないようにする)、水で蓋をされた土の中で増えた酸素の嫌いな微生物(嫌気性微生物)を殺してその窒素を肥料として利用する、また土壌中に酸素を通わせることで溜まっていたメタンガスなど(ブクブク出てくる)を抜く、地表面に生えていた稲の根を一旦枯らすことで深い根が張るように変わるなど色々な意味があるそうです。他にも機械都合ですが、中干しによって地面が固くなるとコンバインが入りやすくなるようです(僕は小面積で手刈りorバインダー刈りなので関係ないけど)。
 このようにメリットが多い中干しですが、無農薬栽培ではやりません。まずもって肥料を入れていないので過剰分けつはたぶん起きません。そして何より乾かすことによって水で蓋をされて抑えられていた雑草が芽を出し始める恐れがあります!特に僕の田んぼは代掻きが下手くそなので乾かしたらどうなることやら、、、怖いです、たぶん速攻で草だらけでしょう。慣行栽培では除草剤の効果で雑草が生えないんだろうか?でも水を落とすときに一緒に抜けてると思うんだが。
 また中干しはオタマジャクシやヤゴ(トンボの幼虫)を乾燥で死なせてしまうのですが、これを防ぐことで生態系の維持にも一役買っている?かもしれません。カエル君にはたくさん増えて害虫を食べて欲しいところです。

とりあえず今週末、また草取りに入ります。

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