堆肥の材料について

今年の冬は寒いですね。

お野菜の方もだんだんと減ってきて、畑も終了となります。
なんとか来週出すつもりなのですが、葉物はないし、カブも終わって。。。と、根菜類もりもりボックスになりそうですが、貯蔵もできるので年内いっぱいお楽しみいただければ!と思っています。

今回は堆肥の材料のお話。

現在五段農園ではモミガラ堆肥づくりを進めています。モミガラ堆肥の比率は
C(炭素)6 : N(窒素)4 : B(微生物)1 : M(ミネラル)1
となります。

C(炭素)はモミガラを使います。

写真は畑で霜対策に持ってきてるものですが、白川町は稲作が多いので大量に手に入ります。
これは堆肥舎のすぐ近くで籾摺りをやっている方のところからもらってきました。モミガラは使い道もあまりないらしく、軽いけどカサがありすぎて処分に困るものらしいです。僕的にはパラダイスですが(笑)。モミガラは固く、崩れにくいので畑の物理生の改善に役立ちます。黒川は水はけの悪い畑(元田んぼ)が多いので、モミガラ堆肥が向いています。

次にN(窒素)は三種類使います。

まずはオカラ、隣町のお豆腐屋さんで出たものをもらっています。とってもおいしいお豆腐で、以前から買いに行ってました。なんとここのお豆腐、北海道産の有機栽培大豆を使っているのだそうです!有機大豆のオカラなんて、堆肥の材料として最高です。
オカラは週三回で約600L位出るのですが、腐るのが早い(窒素が多い)ので貯めるのにはなかなか気を使います。

白いオカラが雪のようです、食べれそうなくらいフレッシュ!

Nの二つ目は米ぬかです。

町内のコイン精米は猟師さんがイノシシの罠ように米ヌカを(多分早朝に)持っていくらしくほとんど手に入りません。ということで色々探したところ、車で1時間の美濃加茂にあるライスセンターにお願いしてコイン精米の米ヌカを全て引き受けることになっています。新米の時期は2ヶ月もしないでいっぱいになります。

今回は800L位になりました、車往復と作業で約4時間。うーん、米ヌカの安定入手は今後の課題です。

N資材はもう一つ、調理残渣を使った生ゴミ堆肥を使っています。

窒素原は多いほど微生物の多様性も確保できます、この生ゴミ堆肥は三重のコンポスト学校時代に知った「えこクル」のものを購入しています。ここの全自動発酵棚のシステムはすごいです!
えこクル堆肥はそのままでも十分使えるのですが、窒素率が高いので(4%近い)うちでは堆肥の材料として使わせてもらっています。将来的には生ゴミ堆肥も自作する予定です。

 

続いてB(微生物)資材は落ち葉です、落葉樹にはたくさんの微生物がいます。
当たり前ですが、落ち葉はこの時期しか手に入りません、しかしながらここ黒川は昔スギ・ヒノキを植林するために木をほとんど植え替えたため落ち葉があまり手に入りません。とはいえ、落ち葉を拾いに遠くまで行くのも時間・コスト的にも厳しいのでなんとか近場でポイントを見つけてはせっせと通っています。
落ち葉を探す時に大事なのは下を見ることじゃない、上を見ることだ!というのに最近気づきました。遠くから山を見ても、なんとなくありそうな場所がわかるので、そこ目指して林道を攻めてます。

理想はアスファルトの左右が広葉樹の道、特にカーブなんか風で落ち葉が吹き溜まりになって最高です。熊手で集めて、みでさらって集めます。袋は150Lの袋をスタンドバックにセットして踏みながらパンパンになるまで入れます。水分が多いと持ち上がりません。

今年の目標は20立米(結構途方も無い量ですよ)だったのですが、今の所14立米くらい。そろそろシーズンも終わりで、足りないかも。本当はもっと集めたかったのですが、落ち葉の時期(11月10頃から12月頭)は玉ねぎ定植だったり、秋野菜の畑の色々で忙しくて…落ち葉ポイントを教えていただいたりもしてたのですが、時間ができたらと思っていたらタイミングを逃して行けずに終わってしまいました。。。せっかく教えていただいたのに申し訳ありません。

来年は落ち葉拾いの時だけでも誰か一緒に行く人を探した方がいいかな、一人でやるととても効率が悪いし、何と言っても飽きる作業です。誰か行きませんか〜?

 

そしてM(ミネラル)資材は赤土です。本当は古い民家の壁に使われていた「壁土」が欲しかったのですが、地域柄なのかいい壁土が手に入らなくて諦めました。
赤土は粘りがあって堆肥の養分を保持してくれます、堆肥の養分って雨で流亡するのが多いのですが土を入れることでこの流亡を防ぎます。そして土壌中のミネラルが堆肥に入ります。
この土の入手もだいぶ苦労しました、黒川の方はほとんど赤土がありません。遠くで扱っている所はあるのですが、何と言っても土は重たく、運賃だけでもバカになりません。堆肥の材料としてそんなに高いものは使えませんので…解体屋さんや土砂販売業社、掘削地のパトロールなど数ヶ月探し回ったのですが、近所では手に入らないかも、と諦めていました。

しかし、堆肥の神様(?)は見ていたようです。
堆肥舎の床を塗ってくれた業者さんが、近所で赤土があって掘削もやってくれるということになって何とか入手したのが上の写真の土の山です。土は比重が重たくて比重がおよそ2です。3tトラックでも一回で1.5立米程度しか運べません。年間でおよそ20立米使うので、3tが14往復してようやくです(往復1時間)。僕もダンプを運転してひたすらピストンしました。重機オペ、ダンプ運転ドライバーもお願いしたので、高い土になりました。

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堆肥材料ここまで。堆肥作りの細かい話はまたいづれ。

さて、一般的にイメージしている堆肥とずいぶん違うと思います。
堆肥というと「OOフン」というイメージがありませんか?一般的には牛・豚・鶏フンの堆肥が多いですね。これらは主に家畜の糞の処理の過程で作られた堆肥になります。もちろん、一概にそれらが悪いというわけではありませんが、家畜フン堆肥はN(窒素)原料がそれのみだったり、畜舎の下に敷いてあるものが分解しづらい木質だったり、発酵が不十分だったりというものもあります。そういった堆肥は窒素過剰による肥満植物、硝酸態窒素の多い野菜、木質が分解せずに残ることで発生する窒素飢餓、病害虫の発生などの問題につながる恐れもあります。

五段農園でつくっている堆肥は上記のように材料を吟味して、発酵が十分うまくいくように水分・温度管理をして作っています。と、ここまでこだわって作っていますが正直なところ、ここ黒川は標高が高く病害虫が少ないところで堆肥の良し悪しがわかりづらいところかも?と思っています。病害虫の本場(って変な言い方ですが)でこの堆肥の実力を見て見たいものです。

さてこの堆肥、モミガラの分解には約一年かかるので、できるのは来年の秋頃から販売を考えています。興味ある方はご連絡ください。配送方法、パッケージ、価格などまだまだ未定なのですが、どんどんできる予定なので!

ついでにもう一枚写真を。

     

こちらは培養土づくりで使うバーク堆肥になります、広葉樹バーク(樹皮)堆肥はここでは作るのが難しいので滋賀の会社から購入しました。200袋配達してもらったのですが、重さでトラックがはまって大変でした…

堆肥を扱おうと思うと一番きになるのがその重量と容積です。
堆肥は「育土」のための資材なので、化成肥料やボカシ肥料のように養分率が高くて少ない容量で効果(この場合養分的な、ということになりますが)を求めるものでは無いので、どうしても量が多く必要になります。よく反あたり2トンとかありますが、堆肥は概ね比重が0.5なので4立米、軽トラックだと4~5杯分とか必要になります。この運賃とか考えると難しいんですよね。。。でも有機農業がこれから普及していくには良質の堆肥が絶対不可欠だと思います、各地でこういった堆肥を作る仕組みができればもっと安定した有機農業生産が拡大できるだろうなと思います。

なんか取り留めのない文章ですが、最近思っていることでした。

堆肥の材料について” に対して2件のコメントがあります。

  1. 波夛野豪 より:

    波夛野です。
    遅まきながら神奈川県のCSA農場なないろ畑のみなさんに紹介させて頂きました。
    続きのページはどこになるでしょうか?

    1. ユウイチ より:

      波夛野先生
      気づくのが遅くなってしまい申し訳ありません!
      続きのページはまだ書いていなかったので、後日公開します。
      YouTubeの方で動画解説もしようと思います、よろしくお願いします。

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