キュウリ今昔物語

そろそろキュウリがたくさん出始めます。
五段農園のキュウリはF1の夏すずみ、北進、シャキットと固定種の相模半白、加賀節成の五種類。見た目も、味も違うキュウリたちについての面白い話です。

<ズッキーニとキュウリ、右下右から5番目の白っぽいのが相模半白キュウリ>

キュウリはもともと中国が原産です。
そして華北系(寒い所)と華南系(温暖な所)の出身に分かれます。

華北系:低温での成長・節なり(※)が弱い、暑くなってからとれ始める 夏キュウリ(地這い※)、イボ(トゲの先端)が白く柔らかく苦味が少ない。奥武蔵地這い、ときわ地這いなど。
華南系:節なりが強い、日が長く高温になると雌花がつかなくなる。春キュウリ 相模半白、加賀太など、イボが黒い(見た目がイマイチ)、皮が硬い、苦味が出やすいがキュウリ本来の風味があって味が濃い。

※節なり:キュウリの葉っぱが一枚出るごとに葉の付け根に実がなるのを節なりといいます、節なりが弱いのは葉っぱの付け根から出た脇芽に実をつけるので実がなるまで時間がかかる。  

※地這い:キュウリは支柱とネットを使って作る立体栽培と地面に這わせる地這い栽培があります。節なりの品種は脇芽をたくさん伸ばすので葉っぱが大きいキュウリの葉が日陰にならないようにする為にネットではなく地面に這わせて作りますが、そうなると面積あたりの作れる本数が少なくなります。節なりの品種は立体栽培で、本数をたくさん植えられるので効率的、キュウリ産地はほとんどが立体栽培です。

F1のキュウリはこの2種類のいいとこ取りで、華南系の節なりのよさ(早く実がなる)を持ちつついぼが白くて苦味が少ない。あっさりとした味わいです。

さて、本当は固定種だけで行きたいところですが、面積が限られるうちの畑では立体栽培しかできません(あと管理が大変なので…)。そうなると節なり性が強い春キュウリは出来るのですが、あっという間に終わってしまうのが残念なところ。という事で夏キュウリの方はF1にお任せです。節成りで果実の付きがよく、皮は柔らかく苦味もない。うーーんパーフェクト…ではないんですね〜、読める展開かと思いますが。

農家の特権で畑で採ったばかりの野菜をそのまま食べることが多いのですが、やっぱり相模半白を食べた後のF1はなんだかちょっと物足りないのが正直なところ、柔らかくて食べやすいんですけどね。

よくキュウリの端端を切って塩を塗ってアクを取るという話がありますが、現代のF1キュウリはそこまでしなくても良いかもしれませんが、固定種はこれをするときの白い泡みたいなのが多い感じがします、アクが強いんですね。その分濃い味、複雑な味。

さてさて、そんな春キュウリ是非お楽しみください。今週便よりもういいよ!ってくらいキュウリが入る予定です。
(といいつつ、加賀節なりはよっぽど高温に弱いのかさっぱり雌花がつきません、植え付けが遅すぎました。。。黒川には向かないのかもしれません)

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