育苗について その1
育苗は奥が深いです。
最初の種をまく前から頭の中は育苗のことでいっぱいでした。果菜類(トマトとかナス)は苗を作って植えるのは当然なのですが、今年畑を始めるところが田んぼなので直接種をまいてもうまくいかないのではないかと不安で水菜、ベビーリーフ、春菊(直根性なので通常植え替えしない)までほとんどの野菜を苗を作ってやろうと考えていました。
苗作りには問題が二つありました。
それは土と温度管理です。
土は本当なら落ち葉を堆肥化したものを使いたいのですが、作るのに一年近くかかるのでどうしようもありません。ということで今年は畑の土と販売している植物性の堆肥、その他いろいろを混ぜて土を作ってみました。最初の頃は畑の土の割合が多すぎて生育が非常に悪くて困りました。3月に堆肥の橋本先生の話を聞いて色々ヒントをもらったのはとても助かりました、比率を変えて市販の培養土や橋本培土(勝手に命名)と比較を繰り返し、なんとかそれなりの培土になったと思います。前半に作っていた培土は素性が悪く、苗の出来もかなり悪かったのにしばらく気づかず。。。寒さのせいかと思っていました。結局通常の1.5倍くらいの期間をかけて、途中大きな鉢に鉢上げしてなんとかなりましたがやっぱりスタートが悪いと挽回は難しそうです。育苗土のみならず、土作り(作るというのはおかしい気もするけど)は今後の大きな課題です。
そして温度、多品目を扱う育苗ではなりたくさんの品目を並行して育苗することになります。温度が必要なもの、いらないもの、生育ステージによっても変わります。ということで電熱温床を作り、橋本先生の講義の後には踏み込み温床も始めました。しかしながら殆ど失敗しないと言われている踏み込み温床ですが、割と早い段階で鎮火してしまいました。。。燃え尽きたわけではなく消えた模様。多分もっと温度を上げてから踏み込めばよかったのですが急ぎすぎてしまいました。。。反省。まぁ消えても使い道はあります、湿度をキープした踏み込み温床トンネルは温度があまりいらない育苗にはいい感じです。
育苗のことを調べ始めるときりがありませんでした、書籍やネットに溢れる情報。トマトは発芽までは25-30度で、芽が出てから1週間ごとに温度を下げていく、、、なんてできるわけもなく。設備や資材について悶々としながらやっていましたが、縁あって近くの加子母という地区にある「たなか野菜畑」さんの育苗を見せてもらって沢山のヒントをもらいました。つまるところ「身の丈にあった育苗」をしなくてはならないと!こんな書き方すると失礼な気もしますが、自分のできることには限界があって教科書通りにはできない、そして教科書に書いてあるのは専門でその作物を栽培している農家のプロの技であると。今はたなかさんでもらったヒントを自分のやり方に落とし込んでいる途中、まだ色々気になるところはありますがなんとか今シーズンは乗り切れそうです。細かいことを書き出すとものすごい長文になってしまうのでここには書きませんが、ホント育苗は奥が深いです、そして楽しい。誰か育苗について小一時間話しましょう!
そんな育苗の一環としてちょっとやってみた胚軸断根挿し木は2週間が経過しました。
胚軸カット、吸水2時間。
三日目、ぐったりしてます。日当たりが良すぎた(遮光ネットするといいです)。半分くらい枯れるのでは?と思ってました。
2週間後、結果98%位は活着しました、植物の力ってすごい!左の2株はカットなし、右の10株は挿し木です。
わかりづらいけど胚軸の根元がスパッと切れていて、その周辺と上の方からも根が出ています。
左が挿し木、右がそのまま。葉の色がカットしてない方が濃いです、本葉3枚目の展開は日数にして2日も変わらないのでは?もともとは種が早すぎたのを調整する目的でやったのですが、あまり意味がなかったかも?でもこれで体内に微生物を取り込んだので(胚軸を切っていない方は植物体内は無菌状態)圃場に植えてから差が出るかも。これは奥武蔵地這きゅうりという品種ですが、他のもっと徒長しやすい品種は胚軸を短めに切ったので割と低くてガッチリした感じになりました。圃場に植えてからの違いについてもそのうち書きたいと思います。
おまけ
ジャガイモの芽が出てきたのでマルチに穴を開けて芽を探っていたら睨まれました、あったかくて気持ちよかったのかな?お邪魔しました。ジャガイモたち続々芽が出てきました。
根を切っても、別のところからまた生えてくるんですね。根切り虫にやられた時も生えてくるといいのにね。ところで、ジャガイモマルチの中から見つめている生き物はなんですか?蛇ですか、リスですか、
ネキリムシ、困りますよね〜。紙コップを使って不正だりする方法もあるらしいですよ。芋のマルチからこっちを見ているのはカエルです、今田んぼはオタマジャクシだらけになってます。