堆肥の話(3)
寒い時は堆肥の切り返しをしてると暑いくらい、外気はマイナスですがが半袖でやってます。
今作っている(出来ている)堆肥は6種類、モミガラ堆肥、落葉堆肥、土ぼかし、生ゴミ堆肥、草質堆肥、海藻堆肥です。
なぜこんなにたくさんの種類の堆肥を作るのか?ふたつ理由があります。
①目的によって使い分ける為
②微生物の多様性を広げる
①について、これまで堆肥は微生物主体で考えると書いて来ましたが、さらに化学性、物理性などで分けるとこんな感じ。
育土堆肥:モミガラ堆肥、草質堆肥、木質堆肥、生ゴミ堆肥、落ち葉堆肥など
養分堆肥:土ぼかし、生ゴミ堆肥
ミネラル堆肥:土ぼかし、生ゴミ堆肥、落ち葉堆肥、海藻堆肥
育土堆肥は植物性の原料が主体の堆肥です、C/N比(下記)が大きく養分は少ないのですが、モミガラや枯れ草などを多く含むため微生物の巣となる空間がたくさんできます。この空間で水はけの改善にも効果があります。
(C/N比:有機物に含まれる炭素と窒素の比率、数値が大きい(C=炭素が多い)のは腐りにくいもの(モミガラ、落ち葉など)。数値が小さい(N=窒素が多い)のは腐りやすいもの(米ぬか、畜糞など))
養分堆肥は窒素が多く、養分の多い堆肥です。元肥、追肥両方で使えます。
ミネラル堆肥はミネラル分を多く含む堆肥です。
例えば肥料分が少なそうな畑で、水はけが悪い場合。1平方メートルあたり3Lの堆肥が必要となれば、育土堆肥であるモミガラ堆肥を2~3Lと養分堆肥の土ぼかしを1L混ぜて使います。水はけの改善と、土ぼかしで長期間の肥効が見込めます。
いろいろな種類の堆肥があれば様々な条件に対応できます。
②について。
これは堆肥の材料の違いによる菌の種類の違いです。
例えば山の中にはたくさんの植物があって、その落ち葉、枯れた根っこにいろいろな菌が住んで多様性があります。
堆肥も一種類でなく、いろいろな種類の材料を使って作ることで菌の種類を変えることができます。畑にたくさんの種類の菌がいるということは、それだけ多様な環境や作物に対応できることになります。人間がいろいろな種類の食事を食べることで腸内細菌を多様化して免疫力を高めているのと同じですね。
ということで現在五段農園では並行して4種類の堆肥を作っています。まだまだローダーなどの購入は見通しが立っていないので相変わらずの手作業、筋トレ農業です。土曜日からしばらく出かける為、今週は四日続けての切り返しでした!寒いこともあって温度の上がりが悪かったりしますが、なんとかいい堆肥に仕上がって欲しいな。
雪ときなこ